会社員時代に1年半休職していた期間です。
これまで、さまざまな挑戦をしながら生きてきました。中学受験を経て桜美林高校に進学し、大学卒業後は航空会社に新卒入社。しかし、激務によりわずか2ヶ月で退職し、もともと興味のあったお笑いの世界へ飛び込みました。芸人として活動したのち、囲碁カフェを開業しましたが、資金難で廃業。その後、25歳で大手生命保険会社に入社し、会社員としての道を歩み始め、28歳で大手IT企業に転職し、現在も働いています。
いろんな業界を経験し、「やりたいことをやりきる」ことを大切にしてきた人生でした。どんな失敗も「なんとかなるべ(※神奈川県出身)」とポジティブに受け止め、前に進んできました。たとえば、満を持してリリースしたバンドのCDが6枚しか売れなくても、芸人時代に200人の前で下ネタで滑り倒しても、経営していた囲碁カフェで出していたレトルトメニューがバレても、「まあ、それもネタになるし」と笑い飛ばしていました。
そんな自分が、2023年4月から約1年半の間、休職することになりました。これまでのように「なんとかなる」と思えなくなったんです。明確に何が辛いというわけでもなく、シンプルに「仕事がしんどい」と感じるようになってしまったのです。意欲が湧かない、コンビニに行くのさえ億劫になる。なぜだか日々を生きるための目標がぼやけていってしまったのです。とはいえ、よく言われる「社会とのつながりがなくなる不安」や「孤独感」に悩んだわけではありません。ただ、それまでのように何かに向かって走る緊張感も充実感もない毎日は、空虚で、単純につまらなかったですね。 一番ひどかった時期は、ひたすらYouTubeを見続ける毎日でした。ある日、寝落ちして起きたら、なぜかYouTubeのすべての表示がトルコ語になっていて、「設定」を開こうにも当然トルコ語で読めない。仕方なく試行錯誤していたら、ちょっとだけトルコ語が分かるようになりました(笑)
復職できるくらいに体調が回復したことが一番の要因ですが、その背景には 「マインドの変化」 がありました。
私は障がいを持つ社員をサポートする仕事をしているのですが、管理者という立場上、多くのメンバーを見ていかなければならず、「常に100点のサポートをしなくてはいけない」「完璧な管理者を演じなければいけない」とプレッシャーを感じていました。無意識のうちに「こうあるべき」という理想像に囚われ、自分自身を縛りつけていたんです。 しかし、休職中にいろいろと考えを巡らせるうちに、ふと気づきました。 「そもそも、万人にとって完璧なサポートなんて存在しないし、着飾った言葉では本当に伝えたいことは響かない」 ということに。 これって、実は普段メンバーに伝えていたアドバイスそのものなんですよね(笑)。でも、なぜか自分自身には適用できていなかった。
そこからは、「ある程度自然体の自分でいいんだ」と割り切ることができるようになりました。無理に理想の管理者像を演じるのではなく、自分らしさを大切にしながら仕事に向き合う。ーーそうすると、不思議なことに、以前よりも本質を突いた言葉が自然と出てくるようになったんです。 メンバーによっては、「テンション高すぎてちょっとうるさい」と思っているかもしれませんが(笑)、それも含めていまの自分のスタイル。もちろん、仕事ではある程度「演じる部分」も必要ですが、そのバランスは人それぞれ。試行錯誤しながら、自分にとって心地よい働き方を見つけるのが大切なのかもしれません。
"こうなったら終わり"なんてことは、絶対にない。 ——これを私は一番伝えたいですね。
私の場合、もし復職できずに退職することになったとしても、別にそれで人生が終わるわけじゃない。妻に養ってもらったっていいし、家を売ったっていいし、最悪、親に頼ったっていい。そんなことで自分の価値が下がるなんてことは、絶対にないと思っています。 そもそも、周りが助けてくれること自体も、その人自身の「力」だと思うんですよね。意識していなかったけど、これって「ONE PIECE」のルフィみたいな考え方かもしれません(笑)。 そもそも、「価値」なんてものは、国や時代によって変わる曖昧な基準です。どこの誰が作ったかもわからない物差しで、「あなたの価値はこのくらいです」なんて言われても、「知らん知らん!」ですよね。もし「価値」という言葉を使うなら、生きているだけで尊いのは、生物すべてに共通すること。だから、みんなに「あなたは存在しているだけで素晴らしいんですよ!」って言いたい。 そして、日本で生きている限り、「なんだかんだ毎日幸せ」というレベルまでは、誰でも簡単に到達できると思っています。大切なのは「事実」ではなく、自分の認識。哲学的に言えば、「事実」なんてものは存在しないし、自分がどんな環境にいるかなんて、実はそこまで関係ない。オープンな姿勢でいれば、なんだかんだでみんな優しいし、YouTubeやTikTokは無限に楽しめるし、シャトレーゼのケーキはめちゃくちゃおいしいし、本田翼さんはずっと可愛い。結局、そういうことなんですよね。
正直なところ、これまでと同じで、この先自分が何に興味を持つのか全く分かりません。たとえば、2年後にフィンランドで手作りアクセサリーを売っている可能性も、普通にあると思います(笑)。 実は最近も大きな変化がありまして、16年間連れ添った妻と離婚して、その翌日にリアルでは初めて会った(普段はリモートワーク)部下と婚約したんです。いまはその妻の地元の宮崎に住んでいます。もちろん前の妻との重複期間はありません(笑)。 でも、結局のところ、どんな道を選ぶにしても、最大限人生を楽しむことが一番大事ですよね。先ほども話しましたが、人生なんて全部思い込み。仕事もパートナーも、住む場所も、「これが最適な選択だった」と思い込んだもん勝ちです。「もし別の選択をしていたら…」なんて考え始めたらキリがないし、仮に過去に戻ってやり直せたとしても、その選択によって得られなかったものを、実はいま持っているかもしれない。 結局、そのプラスとマイナスの収支なんて、誰にも分からないんです。それなら、いまの自分の人生を「最高だ!」って思ったほうが絶対に楽しい。だから、私は 地球上の全員に向かって、「あなたはいま最高に幸せですよ!」と胸を張って言いたいです。