人生の中で最も辛かった時期は、個人事業の廃業後に就職した会社を退職し、現在の会社に就職が決まるまでの約1年間です。

私は新卒から約15年間、公務員として勤めていました。公務員時代に興味を持ったテーマである「社会的課題の解決」を本格的に取り組みたいと考え、37歳で退職し、個人事業を立ち上げました。具体的には、遊休ストックを活用して、街の価値向上を図るためのスペース運営に取り組んでいました。自分のやりたかった事業を実現できたものの、安定した収入を得ることができず、結果的に廃業となりました。

その後は、実家の両親の援助を受けながら社労士試験の勉強に専念しました。満を持して受験したものの、合格点に1点届かず不合格。その後の就職活動もうまくいかず、「自分の存在価値とは何か」「自分にできることは何か」と自問自答する日々を過ごしました。この時期は貯金も社会的信用も徐々に失っていく実感があり、これからの人生をどう歩んでいけばよいのかを真剣に悩みました。

個人事業を始める前は、約15年間公務員として安定した生活を送っていたため、お金に困る経験がありませんでした。そのため、経済的に困窮することがこれほど辛いものだと痛感しました。趣味だったギターも弾く気になれず、旅行にも行けず、精神的にも非常に不安定な日々が続きました。